勤務先の倒産をきっかけにクレジット・サラ金の借金で多重債務者となり、任意整理をした作者の借金返済日記と債務整理のQ&A

マルチ商法とは?

マルチ商法とは? | マルチ商法ビジネスにご用心 | 借金女王-多重債務者の返済日記と債務整理FAQ

マルチ商法って何?

名称とビジネススタイル

「マルチ商法」という言葉は誰もが聞いたことがあるでしょう。しかし、いざ説明するとなると難しいかもしれません。
最近は「ネットワークビジネス」と称していることが多いですが、言い換えているだけで同じものです。
いわゆるマルチ商法は、「特定商取引に関する法律(特商法)」では「連鎖販売取引」と呼ばれています。
この方式で商品を売っている会社でもっとも有名なのは「アムウェイ」という企業です。そう言われるとピンと来る方も多いかもしれません。
簡単に言うと、商品を会員になって購入・販売し、自分の下に新たな会員を獲得することで商品を流通させ、下位会員の売上げの一部が上位会員へマージンとして入ってくるような仕組みなっている無店舗販売のビジネスの事を呼んでいます。
「マルチ商法」という言葉はこのようなシステムを表す「マルチレベルマーケティング(Multi Level Marketing)」の「マルチ」を取ってつけられた言葉です。この商法自体に違法性はないのですが、なんとなく「マルチ商法」という言葉に悪いイメージがあるせいか、実際にこのビジネスに従事している方は自分たちのビジネスを「マルチだ」とはいいません。マルチレベルマーケティングの頭文字を取って「MLM」や「ネットワークビジネス(NB)」「コミュニケーションビジネス」などと称することが多いようです。

★同じスタイルで会員を獲得しますが、商品の流通がないものが「ねずみ講」です。法律では「無限連鎖講」と呼ばれ、違法行為となります。

消費者庁による「連鎖販売取引」の解説ページ

★「マルチまがい」とう言葉は、現在では「死語」だと言えます。
特商法が制定される以前は、連鎖販売取引は「訪問販売法」によって規定されていました。この中では「特定負担」の金額に下限が設けられるなどしていて、ビジネス形態はまったく同じなのに、特定負担額が法律の規定より少ないために、法律上「連鎖販売取引」と呼べなかった物を「マルチまがい」と言っていました。
現在の特商法のもとでは、1円でも特定負担があれば「連鎖販売取引」と規定されますので、旧法で「マルチまがい」と呼ばれていた物もすべて「マルチ商法」と呼んで差し支えありません。

なぜ「儲かる」と言われるのか?

マルチの会員は「ディストリビューター(Distributor)」と称されることが多いです。ディストリビューターは直訳すると「分配者・拡販者」というような意味になります。つまり、「消費者」ではないということです。
彼らが「この商売は儲かる」というのは、商品を消費者として購入し、それを他の人に色をつけて売った差額で儲ける、という意味ではありません。多くの下位会員を獲得し、直下の下位会員がさらに下位会員を獲得する、という連鎖が「儲けを生み出す」と言っているのです。
彼らが自分たちの商売を「物販業」とは言わずに「ネットワークビジネス」と言っていることからもわかるように、商品の販売ではなく、下位会員の獲得がこのビジネスの主目的になっていることが、多くのトラブルを生む原因になっている、と言っても良いでしょう。

何が問題なのか–1.法規制

何度も言いますが、マルチ商法自体は決して違法な商法ではありません。ただし、上述した「特商法」によってさまざまな規制がかけられています。
このビジネスをやろう、という方はこの「特商法」を熟読し、理解することをお勧めしますが、この法律を余り理解しないでビジネスをしているディストリビューターさんが非常に多いことが問題点のひとつです。
たとえば、「無資金で独立開業」「これで借金完済しました」などの書き込みや広告文は、明らかに会員勧誘が目的です。しかし、書込みにも、リンク先のURLにも、それがマルチ商法ビジネスであることも、どの会社のどんな商品を流通させる仕事かも一切書かれていません。これは、社名や商品名や登録料などの費用などを最初に明示しなければならない、とする特商法第35条の規定に明らかに違反しています。
このように、社名やマルチであることを隠して勧誘するやり方を「ブラインド勧誘」と言います。インターネット上での勧誘活動が横行するようになって、かなり普及した言葉ですが、ネット上でなくとも知人を「いい儲け話があるんだけど」「紹介したい人がいる」などと呼び出して、説明会などに連れて行くような、マルチの世界ではオーソドックスな行為もブラインド勧誘に当たります。

更に多くのマルチ商法ビジネスが規制される法律に「薬事法」があります。マルチ商法ビジネスでは商材が化粧品や健康食品であることがとても多いです。薬だけでなく、化粧品や健康食品も、その宣伝や販売方法を薬事法によって規制されています。
とても簡単な例で言うと、風邪薬を売ったり宣伝したりする時に「風邪が治ります」と言うと、薬事法違反になります。ダイエット食品も「これを食べると痩せます」とは言えません。美白化粧品も「色が白くなります」と言ってはいけません。要するに100%の効果保証をしてはいけないのです。私も以前雑誌の編集者をしていたのですが、こうした商品に関する記事を取り扱う場合は、法務の方に原稿をチェックしてもらっていたほどです。
マルチのディストリビューターの中には、「絶対痩せる」「絶対シワがとれる」などと言って商品を販売しようとする方もいますが、これは薬事法に違反していることになります。
つまり、マルチ商法ビジネスは、これらの法律をよく理解した上で行わなければならない、とても難しいビジネスだと言うことです。個人単位で行うビジネスであるため、法律に関する専門的なアドバイスが受けにくい環境にあるということ、「いざ」と言うとき味方になってくれる組織がない、ということも慎重に考慮すべき点だと言えるでしょう。

★このような「特商法」や「薬事法」に抵触するような、インターネット上での勧誘活動は、マルチ商法ビジネスの中でも特にハーバライフのディストリビューターが積極的に行っています。これは、商品供給元であるハーバライフ社が、他のおもなマルチ商法主催会社と異なり、インターネット上でのビジネス活動を禁止していないことが大きな原因です。そのうえ、一切教育や取締りも行わず、ディストリビューターの不法行為を「野放し」にしてきました。
その後、やっとハーバライフ社も重い腰を上げ、「インターネット広告規定」を策定して、ディストリビューターに対して特商法違反の勧誘活動をしないように呼びかけるとともに、宣伝・勧誘用のサイトをハーバライフ社への登録制としました。
これにより、掲示板などへのブラインド勧誘の書き込みは明らかに減少しましたが、まだ特商法違反サイトが根絶したわけではありません。
数年前には、Google AdSenceなどの低単価なコンテンツマッチ型のテキスト広告に広告主として特商法違反の疑いが強い広告文を出稿し、ブラインド勧誘サイトに誘導する手口が横行しました。
Google AdSenceへの出稿はGoogle側の規約によって禁止されましたが、他のテキスト広告やメルマガ広告などにはまだ同様の広告が見受けられるほか、Twitter、Facebook、mixiなどのSNSを利用した勧誘も続けられています。

ハーバライフの勧誘活動については、後のページ「ハーバライフはなぜネットスパムを続けるのか」で詳しく分析しています。

何が問題なのか–2.会員獲得方法

マルチ商法は「物販業」ではなく、「会員獲得ビジネス」だと言えます。上述したように、連鎖的に下位会員(ダウンラインと呼ばれます)を獲得し、何段階か下までのダウンラインの売上マージンが上位会員(アップライン)に入るわけですから、当然、チマチマと商品を小売するよりも、ひとりでも多くのダウンラインを獲得することに注力した方が儲かるわけです。ですから多くのディストリビューターが会員獲得にまい進しています。その結果、上述のような「ブラインド勧誘」が横行することにもなるのです。
マルチの会員になると、まずは扱う商材の「愛用者」になることが求められます。アップラインの指示のもと、商材を購入して使用を続け、それがもたらした些細な効果をアップラインに報告すると、それをアップラインは何百倍もの大きな効果に増幅解釈してくれます。化粧品などの場合は、自分に実感がなくても、アップラインが「うっそー!すっごくキレイになったねー」などとおだてまくってくれます。
それで気分を良くしていると、「あなたにこんな素晴らしい効果をもたらしたいい物なんだから、ぜひ友達や家族に紹介しましょうよ」ということになります。「うまく説明できない」などと言おうものなら、「私のところに連れていらっしゃい」「セミナーにご招待しなさい」と切り返されます。これこそが彼らの思うツボです。

ダウンラインがダウンラインを獲得し続けていくと、自ずとピラミッド形のビジネスグループが出来上がります。もちろん、このピラミッドの頂点にいる人はかなりの収入を手にしています。
ですが、誰でもこのピラミッドの頂点に立てるわけではありません。多くの中間・末端のダウンラインがいるからこそ、たったひとりの頂点に立つ人物がいるわけです。そこに行くには、多くのダウンラインを獲得し、そのダウンラインが更にダウンラインを獲得するために努力し続けるようなシステムを作らなくてはなりません。
このピラミッドの中に身を投じてしまうと、なぜか自分もいつの日かピラミッドの頂点に立てるような気になってしまいます。これはアップラインが作った「ダウンがダウンを獲得し続けるシステム」の術中に見事にハマってしまうからです。
このようなビジネスグループは、頂点に立つディストリビューターを教祖とした宗教団体のような組織になることが往々にしてあります。頂点に立つその人は自分たちが目指す「成功者」の姿であり、その人が言う通りにやれば自分も「成功する」と信じているのですから、そうなり易いのです。「セミナー」はそのような人たちの集会ですから、異様な熱気を持ち、影響を受け易い状況に陥ります。
SNSや掲示板などから誘導されるURLへアクセスし、そこから資料請求をすると、資料が送られてくるのではなく、メーリングリストに登録されるそうです。日に100通近いメールが届くこともあり、商品の効果や儲かるビジネスであることがひたすら連呼されているようです。そして「セミナー」へと導く手法が取られているようです。

なぜ借金が増えるのか

「セミナー」やメーリングリストでは大勢のディストリビューターが「私は先月50万円の収入がありました」といった報告をします。それ自体は嘘ではないかもしれません。しかし大切なのは売上ではなく利益です。50万円の収入があっても、そのために商品の購入やセミナー参加費用などで60万円の経費を使っていれば、10万円の赤字だということになります。彼らは自分の「収入額」は教えてくれますが、そこから経費を差し引いた「利益額」はまず教えてくれません。意図的に隠しているのか、自分で自分の利益を把握していないのか、どちらなのかはわかりませんが、いずれにしても「独立開業」をうたう「事業主」として、自分の事業の「利益」も言えないのは余りにもお粗末です。
ほとんどのマルチ商法ビジネスの場合、いくらダウンラインが利益を上げていても、自身でも一定量の商品を購入していないと、ダウンラインのマージンを受け取る資格がなくなります。自分の売上+直下のダウンラインの売上に下限がある場合もあります。もちろん、ダウンが増えてビジネスが軌道に乗ってくれば、利益の中から自分が買う分の金額くらい出るようになるのですが、そうなるまでには使いもしない商品を「在庫」として抱え続け、赤字になってでも「収入」を維持し続けなければなりません。そして、たいていは黒字になる前に大量の在庫を抱えたまま破綻してしまいます。これが「買い込み」と言われるものです。
お金を持っていないダウンラインには、サラ金から借金をさせてでも買い込みを強要するような悪質なケースも最近は増えているそうです。

また、「儲かる」と言ってダウンラインを勧誘する以上、本当は儲かっていなくても儲かっているように見せなくてはなりません。そこでブランドの服やバッグで着飾ろうとします。これも借金が増える要因です。
さらに、このようなビジネスをはじめるとビジネスグループのセミナーやミーティングなどに頻繁に参加しなくてはいけません。そのための交通費やワリカンの会場費など、出費は重なります。(彼らはきっちりワリカンを徹底します。「儲かっている」はずのアップラインは1円たりともおごってはくれません)

ある程度お金に余裕のある人なら、やってみたければやっても良いと思いますが、借金で首が回らなくなってこのサイトに来た人には絶対に関わって欲しくないビジネスです。
上述のように、「絶対儲からない」とは言いませんが、儲かるようになるまでには時間も投資も必要です。その間に今ある借金の利息は日々増えて行くのです。

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