借金女王

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返済日記

債務整理をはじめた2000年5月から、2003年8月の完済までの日記です。
現在の日記はblogで更新中です


2003年3月の日記

2003年3月8日

掲示板に時々、自称「被害者」の人たちが訪れる。大きく分けると2種類の「被害者」がいる。
ひとつは、友人や恋人に「名義を貸した」り、「保証人になった」ことによって、借金を負った人。
もうひとつは、家族や知人にお金を貸して、返してもらえない、と嘆く人だ。

名義貸しで借金を負った人たちは、「自分は悪くない」と思っているから、自分で借りたお金を整理しようとする人たちに比べると、明らかに謙虚さが足りない。
何が本当の「愛情」や「友情」なのか、ということは、哲学的な永遠のテーマだろう。でも、友人や恋人の代わりにお金を借りてあげることは、本当の愛情や友情ではないと思う。現に、名義を貸した相手に対して、恨み言を並べている。名義を貸したことが「友情」や「愛情」なのだとしたら、逃げられようが、踏み倒されようが、恨み言など言えないはずだ。
このような人たちは「信じていたのに裏切られた」と良く言うが、実際は「裏切られた」わけではなく、最初から「騙されていた」に過ぎない。
でも、自分が恋人や友人だと思っていた人に「騙された」と認めるのは、プライドが傷つくものだし、「裏切られた」ことにしたい気持ちもわからなくはない。
裏切られたのだとしても、騙されたのだとしても、名義を貸した自分が「愚かだった」ということには、気付いて欲しいと思う。
人に頼んでお金を借りてもらう、ということはどういうことか?
自分の名前では借りることができないからか、お金を騙し取ろうとする明確な意志があるかのどちらかしかないと思う。そのどちらなのかを見破ることまでは難しいかもしれないが、いずれにしても、返って来ない可能性が100%に近い確率である、ということだ。それに気付かない、あるいは気付かないフリをして、名義を貸すということは、その時点で「あなたの借金、私が背負います」という意志表示をしたことになるのだ。
とても人が良かったり、気が小さかったりして、頼まれると断れないタイプの人も確かに存在する。でも、それを理由に借金をチャラにすることはできない。
名義を貸しただけの人なら、債務整理の後で、自分で借金をする心配は少ないとは思うが、「騙された」ことに対する反省はきちんとしておかないと、再びどこかで騙されてしまう危険がある。
また、保証人になることにも、慎重になるべきだろう。保証人も、名義貸しと同じく「あなたの借金、私が背負います」と、署名しているのと同じなのだ。
保証債務ぐらい、バカバカしい債務はないと思う。私は、誰にどれだけ頼まれようが、「絶対借金の連帯保証人にはならない」と、固く決意している。将来、子供を儲けるようなことがあれば、「借金の保証人になってはいけない」と、何度も言い聞かせると思う。
名義貸しでも保証債務でも、債権者は何の配慮もしてくれないし、する義務もない。

家族や知人にお金を貸しているタイプの自称「被害者」は、私にとってはかなり難しい「お客様」だ。
借りている方ではなく、貸している方だから、債務経験者が多いこのサイトに対して、最初から敵意に近いものを持って乗り込んでくる人もいる。
単純にお金の取り立て方を相談してくる人はわかりやすいのだが、結局何を相談しにきたのかわからない人も多い。
「困っていると思ったから貸してあげたのに、お礼も言わない、返しても来ない。でもはじめから返してもらえると思って貸したわけでもないので、諦めているんだけど、でも返すのが常識ですよね?」というような感じで、結局、グチか恨み言を言いに来ただけだ、と解釈するしかないのだが、そういう方は何を言っても、納得してくれない。
「今回は、高い勉強代だったと思って諦めて、もう2度と貸さないことですね」とお返事しても、「でも、返すのが常識ですよね、借りる人の気持ちは理解できません」などと言われる。
「どうしても、取り立てたいなら、債務名義を取って、差押をしたらどうでしょう?」と言えば、「家族に対して、そんなことできるわけがない」と言う。
結局、貸した相手が態度を豹変させ、謝罪して全額耳を揃えて返済しない限り、「納得」はできないのだろう。
貸した人は、自分が「善意の人」だと思い込んでいる。否定はしないが、お金に困って頼ってきた家族や友人を助けるために貸したと言うのなら、最初から「貸す」のではなく、「あげて」しまえ、と思う。後でグチを言ったり、後悔するのなら、最初からお金なんて貸すべきではない。
本当に返してもらうつもりで貸したのなら、きちんと契約書や公正証書を作って、返済期限を設けておくべきだろう。
相手に対して誠意を求めるのは間違ってはいないと思うが、それをこちらに向けられても、何の解決にもならない。
お金を貸せば、当然「返ってこない」というリスクを背負うのだ。そのリスクを忘れて、文句だけを言いに来られても、お返事のしようがない。
確かに「被害者」なのかもしれないが、自ら好んで「被害者」になる道を選んだ、ということに気付いて欲しいと思う。

2003年3月15日

神楽坂
有線放送の「ビジネスステーション」というチャンネルに呼ばれて、債務整理についてお話をしてきた。(「ビジネスセミナー」という番組で、放送日は未定)
番組の流れとしては、このサイトのFAQページを解説するような形式で、「債務整理」という手段を知らない人に対して、こういう手段もあるんだよ、ということを説明するような内容になっている。
このため、何度もこのサイトに足を運んでくださったり、日記のファンだ、と言ってくださっている人にはちょっと物足りないかもしれない。
「債務整理の前に、生活を見直して」とか、「家族に相談して」というような、日ごろ私がサイト上で主張していることについては、十分話せなかったのが、少し心残りとなった。
このような番組にしても、雑誌の記事にしても、制作者の「意図」というものが、必ず働く。
このサイトに来る人のほとんどは、借金で首が回らない状態で、「何とかしなくては」という切羽詰まった状態の人であるのに対して、今回の番組のターゲットは、借金は結構あるのだが、まだ切羽詰まっていない人、本当は切羽詰まっているのに自覚症状がない人を設定している。
今回の場合は、「債務整理」という手法そのものに、制作の側の興味がかなり集中していて、結果的に、弁護士さんでもないのに、債務整理の方法について、結構長々と話してしまった。
私が「言いたいこと」よりも、制作者側が、リスナーを代表して「聞きたいこと」が優先した、ということだ。
サイト上で、勝手に自分の考えを文章にするのは、ある意味気楽なものだが、目の前に語りかける「相手」がいる、というのも、案外難しいものだということを、改めて感じた。

また、債務整理について、まったく知識のない人が、最初にこのサイトを見た時に、どんな感想を持つのか、ということもわかったような気がする。
特別借金に苦しんでもいないし、大きな関心もない人にとっては、やはり「借金の整理方法」よりも、「借金を重ねた物語」の方に興味がいくようだ。最初の段階では、「そんな地獄から生還しました」という構成が、番組としても「面白い」と判断されたようだ。
このため今回の出演依頼も、「なぜ借金をするのか」とか、私自身の借金の経緯を語ってくれ、というようなところからスタートしていた。
それに対しての私の返答が、先月の日記に書いたようなことで、一度は出演をお断りした。
その後、何度かのメールのやり取りの中で、「誰でも借金をしてしまう可能性はある」ということ、「大切なのは、返せなくなった時にどうするかだ」という方向に修正することができたので、それなら、いい機会だし、ちょっと喋ってみようかな、という気になったのだ。
収録は、プロデューサーの盛池さんとの対談形式で、とても和やかに行われた。狭い路地にある、老舗の旅館の一室で、掘り炬燵に入りながら、という、くつろぎぶりだった。
結果としては、この盛池さんの関心が、「債務整理」という「手段」に向かっていたため、上記のような内容になったのだが、彼の反応が、特別借金で困っていない人の、「普通の反応」なんだろうな、ということがよくわかった。

去年1年間の自己破産申立件数は、22万件を超えたそうだ。10年前の5倍以上らしい。この中には、もう少し早く何らかの債務整理をしていれば、自宅を売らずに済んだ、というような人もたくさんいるに違いない。
多重債務者になってしまえば、ネットで検索して自力でこのサイトにたどり着くことができるだろうが、その頃にはもう自己破産以外に選択の余地がなくなっている人も少なくない。
今回の出演が、まだ、余力が残っている「多重債務予備軍」に向けての啓蒙(ちょっと不遜な言い方だが)になれば良いな、と思っている。

2003年3月25日

先日、私がお願いしている弁護士さんと、久しぶりに電話で話をした。
 日頃から、メールのやりとりは頻繁にしているので、久し振りの気がしていなかったのだが、考えてみれば、直接話すのは、委任契約をした時以来だった。
 私は2000年の5月に、債務整理の相談で、東京の3つの弁護士会が共同で運営している法律相談所に行き、たまたまこの弁護士さんが相談担当の当番弁護士だったのがご縁で、そのままこの方に債務整理をお願いした。
 この時はまだ、2〜3日前に電話で相談の予約が取れたが、最近は連日満員状態で、予約も少し先になってしまうそうだ。ヤミ金関連の相談も急増しているらしい。私の弁護士さんも、毎日駆け回っているそうだ。

 さて、そんな中、久し振りに電話で話しをした理由は、すでに和解が完了しているある債権者について相談することがあったからだ。
 去年の12月の日記に書いたように、大手の金融会社でも、開示請求された取引データを、水増しして出していたことが最近発覚している。
私の債権者のうちの1社が、私の弁護士さんが担当している別の債務者の取引データを、水増しして出してきたそうだ。それを私の弁護士さんが発見して追及したため、その会社に対する私の弁護士さんの立場が、非常に強くなった。そこですでに和解済みの分も、もう一度見直しをかけた、と言う。取引データの再開示を求めているのだそうだ。
 結論から言うと、私のデータは、水増しはされていないようだ。
 この会社に関しては、私の手元にほとんどの返済記録が残っていたので、あらためて計算してみたのだが、違うとしても1〜2万円程度で、誤差の範囲だ。それでも、端数をカットしてもらう程度の交渉の余地はありそうなので、お願いすることにした。
任意整理の場合、和解さえしてしまえば、後はノータッチという弁護士さんの方が多いと思うが、私の弁護士さんは、このようなムシ返しまでしてくれる、非常に熱心な方なのだ。

 ところで、「資料室」には、私の債務表を掲載しているが、いまだに1社「交渉中」と書いてあるところがある。別に更新を怠けているわけではなく、任意整理を委任してそろそろ丸3年になるが、本当にいまだに「交渉中」なのだ。
この会社との取引は、15年以上に及ぶ。しかし、取引データの開示請求に対しては、最後の数年分しか応じず、「古いものは捨ててしまった」と言ってきたそうだ。このような話は珍しいことではない。
 私の場合、平成元年からの預金通帳を取ってあって、断片的ではあるが、その会社から引き落としがかかった記録も残っているため、これがそれ以前も取引があった証拠になる。このため、弁護士さんから「全部出しなさい」と要求をし、そのままいわゆる「塩漬け」状態になっている。
 あえて、積極的な和解交渉を行わずに「塩漬け」にするのも、弁護士さんの作戦のひとつだ。
 債権者にとっては、債務者に破産されたり、任意整理などで和解をすれば、回収できない分は「損金」として計上することができる。帳簿上の処理が済み、「損金」は「売上高」から差し引けるため、税金を節約できる。
 しかし、塩漬けにされていると、回収もできないし、損金処理もできないので、厄介なのだ。このため、債権者の方から「妥協案」を出してくる場合もあるらしい。
 また、私の場合はそろそろ3年が経過するが、あと2年このまま塩漬けにしておくと、「時効」になる。「少しでも回収したい」と考えている業者だったら、時効前に何らかのアクションを起こさざるを得ない。今回はすべてのデータが出てくると過払いになる可能性が高いので、債権者は「返金するよりも、時効で0になる方がまだマシ」と考えている可能性もある。
 このまま5年が経過したとする。私のこの会社に対する債務は、時効により消滅する。
 しかし、債務は消滅しても、過払金の返還を求める権利は消滅しない。
 仮に、この時点で、私がこの会社に対して過払分の返還請求の訴訟を起こし、勝訴したとすると、立場は一転し、私はこの会社に対する「債権者」になる。判決を得た場合の時効は、通常10年間だ。
 この会社との十分な取引データは、手元に残っていないので、実際に訴訟をするかどうかは、これから弁護士さんと相談して決めるつもりだが、このような方法もあり得る、ということは、ぜひみなさんに知っておいて欲しい。
 時々、「任意整理を委任して、数ヶ月経っても和解がまとまらない」と、心配して掲示板に相談してくる方もいるが、数ヶ月程度で心配する必要はまったくない。むしろ、和解を急ぐことによって、不利な結果になる場合もあり得る。時間がかかった方が得になる場合もあるのだ。
 私も、任意整理委任直後は、少ない金額での分割返済の交渉をしてもらうしかなかったが、3年近く経った今では、貯金もあるので、一括返済を前提にすることで、より有利な和解をすることもできる。
 債務整理をした以上、さっさと決着をつけて完済してしまいたい、という気持ちも良くわかるし、私も最初はそうだった。しかし、今となっては、時間をかけて焦らずに交渉してくれている弁護士さんに感謝している。
 このように粘れる理由のひとつは、一部ではあるが、10年以上前の返済記録を手元に残していた、ということが大きい。少なくとも、その時点で取引があった、という証拠にはなる。それだけでも、だいぶ有利になるのだ。
 「全部捨ててしまって、手元に何もない」という人でも、念のため、机の引き出しやタンスの奥を探してみて欲しい。
 古い振込みの明細票が1枚でも出てきたら、それだけでも交渉が有利に進む場合があるのだ。

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