借金女王

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返済日記

債務整理をはじめた2000年5月から、2003年8月の完済までの日記です。
現在の日記はblogで更新中です


2002年8月の日記

2002年8月1日

住基ネットの稼動が近づいてきて、ネット上でもその話題を多く見かけるようになった。私もセキュリティ面での不安を抱きながら、こうしたページを見たりしているが、稼動直前の今頃になって騒ぎ出しても、どうしようもないような気もする。
ところで、このニュースを見て思い出したことがあった。
実は私は「前科者」なのだ。
住民基本台帳法という法律があって、そこには引越しをした時は14日以内に該当市区町村に転入と転出の届出をしなくてはならない、と書いてある。要するに引っ越したら2週間以内に住民票を移しなさい、ということである。
私はこの法律に違反し、簡易裁判所に3000円位の罰金刑を言い渡された。
立派な「前科者」である。

ことの経緯はこうだ。
私は大学に入ってすぐに、実家を出て都内のアパートでひとり暮らしをはじめた。この時、多分多くの学生がそうだと思うのだが、住民票は実家に置いたままになっていた。
そして、5年後、大学を卒業して社会人となったので、社会保険の手続きなどもあって住民票をはじめて移すことにしたのだ。
そこで、実家の母に、転出届を取って送ってもらうように頼んだのだが、お嬢様育ちの母は役所の人に「いつ引越されましたか?」と聞かれて、「5年前です!」と元気に答えてしまったらしいのだ。役所の人は「本当にいいんですか?5年前の日付で書いちゃいますよ」と言ってくれたらしいのだが、母は何も考えずに「ハイ!」と5年前の日付の入った転出届をもらってきてくれたのだ。
郵便でその転出届を受け取った私は、びっくりして母に電話をしたが「だって、ホントのことじゃない」とケロリと言われた。
確かにホントのコトですけどねぇ...
今更日付を変えるわけにもいかないので、その転出届を持って、自分が住んでいる区の区役所に転入届を出しに行ったのだ。
区役所では、別に怒られはしなかったが、裁判所宛の、届けが遅れた理由書のフォームを渡されて、そこに「こんな理由で遅れました」と書いて、署名をさせられた。
それから数ヶ月して、裁判所から「判決文」が郵送されてきて、そこに「罰金3000円くらい」と書かれていたわけである。
丁寧に返信用の封筒も入っていて、そこに罰金分の収入印紙を入れて送るようになっていた。
金額はピッタリ3000円ではなく、3248円というような中途半端な金額だった。
そこで郵便局に行って、「3248円分印紙ください」と言うと、郵便局の窓口の人に「10円・1円単位の印紙は郵便局では扱ってないんですよ、そういう単位の印紙は罰金の支払いくらいにしか使わないので、裁判所でないと買えません」と大きな声で言われてしまった。
私が罰金を支払おうとしていることがバレバレではないか。
結局、端数を切り上げた3300円分の印紙を買って、送ってしまった。もちろん、裁判所がお釣りを出してくれることはなかった。
その後、母には罰金と郵便局で受けた恥ずかしい思いの代償を要求したが、未だに応じてもらえていない。
先日、久しぶりにそのことを話題にしたら、母の方はそんなことがあったことはすっかり忘れていた。
そんなうちの母は、今年から年金を受け取る年齢だが、その年になっても、よくここまでスレずにいられたと関心するくらい世間知らずである。
誰でも簡単に信用してしまうし、役所の届けのことや税金や保険のことなども何も知らない。
祖母の介護保険の手続きなども、母が「私わかんなーい」と、どこかのギャルのように言うので、私が全部やるハメになったのだ。
非常にかわいらしい人ではあるのだが、とにかく何をするにも危なっかしくて、母がひとりで電車に乗る、と聞くだけで心配でたまらなくなってしまうような人だ。
上記の住民票事件の他にも、やはり学生時代、実家に私あてのセールス電話があった。そのセールスマンが私に取り次いでもらうために「高校の同級生です」と言ったらしいのだが、母は「今は東京のアパートにいるんですよ」と言って、聞かれもしないのに私のアパートの電話番号を教えてしまった、というようなことが何度かあった。後で「○○さんっていう人にそっちの電話教えたよー」などと言ってくるのだが、「そんな人知らないよ」とちょっとキツく言うと、「だって高校の同級生って言ったんだもん」と泣きそうな声を出してイジけてしまうので、それ以上文句を言うこともできなくなってしまう。
債務整理をすることになった時も、報告はしたのだがあまり良くわかっていないようである。ただ、「弁護士さんってそういうこともしてくれるんだねー」と、ひとしきり関心していた。
自分の債務整理がきっかけで、実家のローンのことなども気になってきて、母に「あといくらぐらいあるの?」「名義はお父さん?それとも夫婦共有なの?」などと聞いてみるのだが、「わかんない」そうである。父に完全にお任せらしい。
これまでも、母はそれでちゃんと生きて来れた人なので、今後もきっと大丈夫だろう。
でも、やっぱりあの罰金だけは、少なくとも半分は母に負担したもらいたい、と今でも思っている。

2002年8月5日

このサイトを「節約」「節約術」といったキーワードで検索して訪問してくれる人数は、実は「借金」で検索した人に次いで多い。
「ひとり暮らしの節約術」のページは、隠れた人気ページなのだが、大したことは書いていないので、節約術を求めてこのサイトにやってきた人たちはがっかりしているのかもしれない。そんなみなさん、ごめんなさい。
私は「収入を増やすよりも、まず支出を減らしましょう」と掲示板でも言い続けているので、ひょっとすると私を、「借金女王」ならぬ「節約女王」のように思っている方もいるかもしれない。
でも、白状すると、そんなに毎日「節約・節約」と考えながら暮らしているわけではない。
なるべくムダなものは買わないようにしよう、というようなことぐらいは考えているが、ひとり暮らしなので、つい自炊が面倒になって、コンビニのお弁当で食事を済ませてしまうこともあるし、服やアクセサリーを衝動買いしてしまうこともある。
それにしても、ちょっと最近自分でもたるんでるような気がする。そこで、 この1年間の電気使用量をグラフ化してみた
ご覧の通り、前年同月を毎月平均1割近く上回り、最近の「たるみ」を象徴する結果となった。
思わず、言い訳に近い反省文をしたためてしまったが、非常に情けない。とても人に「節約しろ」なんて言えない状況だ。
でも、これを見て、あらためて気持ちが引き締まったので、まだまだ暑いけれど、冷房もなるべく使わないようにして、節約に勤めようと思う。
みなさんも、たまにはこういうものを作って、気を引き締める素材にして欲しいと思う。
私は電気代、ガス代、電話代などの明細書は、3年分くらいはとってあって、こういうものを作ろうと思えばすぐに作れる。しかし、特に料金を口座振替にしている人は、明細が来ても、見もしないで捨ててしまってはいないだろうか。電気は、よく料金表が変わるので、金額だけを家計簿につけていても、実際の使用量をチェックできない。
私もやってみようかな、と思った方の中にも、明細書を捨ててしまったから1年経たないと、比較できないと思っている方がいるかもしれない。
だが、東京電力の場合、料金通知書の下のほうに前年同月の使用量が記載されている。また、電話で問い合わせれば、過去の使用量は教えてもらえる。
節約もダイエットと同じで、数字で成果が見えてこそ、励みになってよりがんばれるものだと思う。
貯金が増えるのでも、他の光熱費が減るのでも構わないが、成果を数字で見ることのできる形にしておくのが、シンプルでいちばんわかりやすいのではないかと思う。
私は8月を「電気代節約強化月間」にしようと思う。
みなさんも、何かひとつでもいいから「節約強化」の月にしてみてはどうだろう。

2002年8月12日

先週半ばに、このサイトがYahoo!のディレクトリに登録された。
どこでも掲載してもらえる、というわけではないので、今回の掲載は素直に嬉しい。
アクセス数もこれまでの倍になった。
 同じ検索エンジンのLycosのディレクトリにも、数ヶ月前に登録されているが、こちらからの訪問は1日1〜2件程度しかない。
やはり、ネット検索のマジョリティは圧倒的にYahoo!のようだ。
 Yahoo!おそるべし、である。
 さらに今日になって、Yahoo!の「今週のオススメ」というページに、すばらしい紹介文とともに掲載され、まだ午後4時前だというのに、今日のアクセス数はすでに昨日の5倍になっている。

(以下引用)
* 借金女王 - 督促状、退去勧告、雪だるま式に増えていく月々の支払い。バブル経済や勤務先の倒産など、さまざまな状況に振り回されながらも借金生活を克服してきた作者のサイトは、お金というものを通じて自らの生活を見つめ直す自己責任の捉え方を、潔いまでに教えてくれる。債務表を公開して解説する整理方法や、自己破産という結末を迎えた勤務先の債務処理、日々の地道な倹約方法など、体験に基づく貴重なノウハウは、現在同じ境遇にない人も、予測できない将来に備えて一読しておきたい。掲示板や日記で語られる、時に厳しい助言。とりあえずの希望を与えることは簡単かもしれないが、借金という現実の背景にある目を背けたい自身の問題と真剣に向き合うことこそ、問題解決の第一歩。女王の声は心に響いてくる。
(引用終了)

 これが私のサイトを紹介する文章なのか、と思うほど立派な紹介文である。こんな文章で紹介されたら、誰でも見たくなるだろう。
 このサイトが、そんなに立派なサイトだとはとても思えないが、少しは訪れたみなさんのお役に立てれば嬉しい。

 しかし私は、アクセス数が増えることを、手放しで無邪気に喜んでいるわけではない。
 さっそく掲示板には、過去ログを読めばわかるような質問が続けて書き込まれ、回答してもお礼すら言わない人がいる。
 訪問者が増えれば、当然そういう書き込みも増える。
 掲示板運営の方針は、開設以来ずっと頭を悩ませてきたことだ。
 聞かれたことにはなんでも親切に答えてあげる、という考え方もあるだろうし、管理者なのだから「管理」だけに徹して、レスは一切つけない、というやり方もアリかもしれない、と考えたこともあった。
 今は基本的には「読めばわかることには答えない」というスタンスだが、私がそういう方針を貫こうとしても、親切な人がすべて回答してしまうこともある。その「親切」を踏みにじるわけにもいかない。
 アクセスが増える、ということは、質問者だけでなく回答者も増えるということだ。
 私の運営方針を理解していただけない回答者も増えるだろう。その中には、私よりも債務整理に精通した方もたくさんいるはずだ。
 掲示板の入り口にある注意書きは、質問者だけではなく、回答者にも向けているつもりなのだが、「親切な」回答者に対するスタンスをどう取るべきかは、今でも思慮していることだ。
 
 以前、債務整理をしようかどうか悩んでいる相談者に対して、複数の回答者から一斉に債務整理を勧めるレスがついたことがあった。
 事細かに債務整理の方法が書いてあるものや、「弁護士を紹介してあげる」というものまであった。
 ひとつひとつは正論だった。しかし、相談者は「まるで宗教の勧誘でも受けているようだ」という感想しか持たなかった。
 正論も束になることでかえって真意が薄れ、相談者にとってはプレッシャーにしかならないこともある。
 この件で、掲示板を置くことの難しさに打ちのめされてしまって、1ヶ月ほど掲示板を閉鎖した。
 こうなってしまったのは、私の運営方針を明言していなかったのが原因だと思い、再開した時に、入り口の注意書きページを設けた。
 それでも、むやみにアクセスが増えることに対する恐怖心のようなものは払拭できなかった。
 訪問者が増えれば、質問者も回答者も増え、上記のような問題が再び起こり得る。すべての人が注意書きを読んでくれるとも思えない。
 
 Webサイトを開いているほとんどの人が、自分のサイトのアクセス数に関心を持っている。その証拠に、個人サイトのほとんどにアクセスカウンターがついている。
 このサイトにもカウンターがある。やはり大勢の人が見に来てくれれば励みにもなるし、嬉しい。
 私も開設当初は、少しでも多くの人に見てもらいたくて、同じように債務問題を扱っているサイトの掲示板に書き込みに行ったり、せっせと検索エンジンにも登録した。もちろんYahoo!にも登録依頼を出したが、掲載はしてもらえなかった。
 しかし、上記の件をきっかけに、アクセスが増えるのは、必ずしも良いことばかりではないということを思い知った。だからその時点で「宣伝活動」のようなものには積極的に取り組まないようにした。債務問題を扱うサイトからいくつかリンクしてもらえたし、ロボット型の検索エンジンにもそのうちひっかかるのだから、それで十分だと思っていた。
 ある程度の「探しにくさ」があった方が、興味本位のアクセスは少なくなり、本当に借金を何とかしたい人だけが来てくれる、と思った。
 その結果、私の運営方針を理解してもらえない書き込みはかなり少なくなり、よってたかって債務整理を勧めるようなレスのつき方もなくなった。

 だから、今回Yahoo!から掲載の連絡が来たときは、実は少し悩んだのだ。
 私もネットを始めてしばらくの間は、なんでもかんでもYahoo!で検索していた。
 ネットの経験がほとんどないようなおじさまでも、「Yahoo!」と言えば、名前くらいは知っている。
 特に「今週のオススメ」から来てくださった方は、必ずしも借金で悩んでいる方ではないはずだ。
 むしろ、借金とは無縁の純粋な「ネットサーファー」の方が多いかもしれない。
 その中には「債務整理なんてしないで、寝ないでも働いて返済するのか当然だ」と考える人もいるだろう。
 多くの人の目に触れる機会が増えると言うことは、これまでこのサイトを訪れてきた方とはまったく違う種類の人がやってくる可能性も含んでいる。議論するのは良いことだと思うが、本当に債務に悩んで切羽詰っている人が、訪れにくく場になってしまうのは嫌なのだ。
 このように憂慮することも多いのだが、大勢の方に見ていただけるせっかくの機会でもあるので、しばらくはこのまま様子を見ようと思う。
 来週になれば「今週のオススメ」ページからもはずれて、少しは落ち着くはずだ。

 もうひとつ心配なのが、先月借りたばかりのサーバの転送量である。
 このサイトが置いてあるレンタルサーバは値段が安い代わりに転送量に上限がある。上限があると言っても、借りた当時のアクセス数で見ると、十分余裕のあるものだった。
 しかし、今日のようにアクセスがあると、1日あたりの転送量は確実にオーバーするので、続くようなら、サーバの引越しも考えなくてはならない。
 突然、このサイトが表示されなくなったら、それは転送量オーバーが原因だ。

2002年8月19日

ネットサーフィンをしていて、生活費に困った妻がサラ金で夫に内緒で借金をして、返せなくなる事例が増えている、という新聞記事をみつけた。
「なぜ返済能力もない主婦に金を貸すのだ」と、貸金業協会に苦情を申し入れる多重債務者の家族が少なくないそうだ。
たまにこのサイトの掲示板にそのような家族の方が書込みをされることがある。概ね「サラ金はなぜ収入のない者、返済能力のない者にまで貸すのか」という内容の書込みだ。
言いたいことは良くわかるし、家族の立場であれば当然の思いだろう。
でも、だからと言って貸金業者を恨んでばかりでは債務が減るわけもなく、何の解決にもならない。
サラ金は銀行などと比較すると、審査が甘いと言われている。
その分金利が高い場合もあるが、早く融資が受けられたり、銀行の審査に通らなくてもサラ金の審査には通るわけで、だからこそ利用者は後を絶たないわけだ。
しかし、いくらサラ金の審査が甘いとは言っても、収入のない人に貸すような無謀はしない。彼らだってボランティアではなく、商売でやっているのだ。
でも、実際はこの記事にもあるように、収入のない人に融資が行われている。
それは何故か。さらにこの記事を読み進めていただくとわかる。
妻は夫のリストラ前の収入を申告して融資を受けている。
要するに、収入がないのにあると「嘘をついた」、返す当てなどないのに、返せると「嘘をついた」ということになる。多重債務者になる、ということはその嘘を何度も何度もつき続けている、ということだ。
確かにそんな嘘は、海千山千のベテラン貸金業者がじっくり面談すれば、見破ることができるかもしれない。そういう意味では、この記事にあるように、私も無人契約機の台頭はまったく歓迎していない。嘘をつく方も、生身の人間に向かって嘘をつくよりも機械相手に嘘をつくほうが大分気が楽だろう。無人契約機は精巧な「嘘発見器」でも開発してから設置して欲しいものだ。
でも、だからといって「機械だから嘘をついて良い」ということにはならない。
こうして「嘘」で融資を受けた妻は、家に帰ると今度は家族相手に「借りていない」とか「ちゃんと返済している」と言った「嘘」をつくことになる。そして、いよいよ返済に窮し、取立てを受けるようになれば、やはり返す当てもないのに「必ず返します」と更に「嘘」を重ねて日々を過ごして行かなくてはならなくなる。
「心配をかけるから、とても家族には言えない」などと言えば聞こえが良いが、結局は「嘘つき」である。
嘘に嘘を重ね続けてもボロも出ないし、心もまったく痛まないというのなら、多分立派な詐欺師になれるだろう。
でも、普通の人ならきっと、嘘をつくたびに心が痛くなるだろうし、身近な人に嘘を重ねていれば必ずボロが出てしまうものだ。
だから、そんな長くて辛い「嘘」の日々も、いずれは破綻の日を迎える。
この記事によれば、債務整理をする人もいるが、多くは家族の代位弁済よって解決しているという。
代位弁済してくれる家族がいるのなら、最初から家族に借りれば良かっただけの話である。
「夫がリストラされて生活が苦しいから、援助してもらえないか」と正直に家族に相談すれば、ひとつの嘘もつくことなく、窮地を乗り越えることができたのではないだろうか。
極論を言えば、「何で返せない者に貸すのだ」と怒る多重債務者の家族は、結局「どうしてうちの家族の嘘を見抜けなかったんだ」と怒っているということになる。
お怒りはごもっともだが、逆に「どうして家族の窮地に気づいてやれなかったんだ」と問いたい。
確かにたとえ家族でも、世帯が別であれば、なかなか経済状況までは把握できないかもしれない。こんなところにも核家族化の弊害が現れている、と言うこともできるだろう。
でも、何らかのSOSを察知することはできるのではないだろうか。「電話してもなんとなく元気がない」「帰省してこなくなった」などをきっかけに、他人が言えば「余計なお世話」に当たるようなことでも、家族であれば突っ込んで問い詰めることができることもあるだろう。
もっと言えば、もともと困った時に何でも相談しあえるような家庭環境・家族関係があったのか、更に、サラ金からお金を借りることは嘘をつくよりも悪いことなのだ、というような認識を持ってしまう教育をしていなかったかなど、家族にも、サラ金を責める前に振り返るべき自己があるのではないかと思う。
私はこのサイト内で何度も、「家族に内緒にしたい」という多重債務者に対して、家族にだけは話して欲しい、ということを言っている。自分ではバレていないつもりでも、たいてい家族は勘付いてるものだ、ということも言っている。
でも、気づかないフリをしている家族にも問題はあると思うし、中にはあまりにも無頓着で、本当に気づくことのできない場合もあるかもしれない。そういう人に限って、いざ家族の多重債務が発覚すると、貸した側のせいにして大騒ぎするような気がする。
家族は多重債務に陥りそうになっている人にとって、「最後の防波堤」になり得る存在だと思う。
ある意味、子供の非行に対する親の心構えと同じかもしれない。

2002年8月28日

このサイトの「資料室」のコーナーの中に私の債務表を記載してある。
これは、弁護士さんに債務整理を委任した時点での債務表なのだが、これだけを見て、「たいした金額でもないのに債務整理なんかしやがって」と思う方がいるようだ。
知らないうちに他のWebサイトから文中リンクされていることがあるが、その中には「女王というほどたくさん借金があるわけではない」とか、「この程度でも債務整理する人もいる」というような紹介のされかたもある。
この債務表に掲載してある債務額は100万円ちょっとである。
しかし、この日記をさかのぼって読んでいただければわかるのだが、それまでにかなりの無茶をしていた。
もっとも借金が多かった時は、多分500万円近かったと思う。
それを、朝はゆでたまご1個、お昼は抜いて夜は100円ショップで買ったカップラーメン、というような食生活を続けたり、おおっぴらに言えないバイトをしたり、親に援助してもらったりして、100万円強までにした。
その間を振り返ってみると、親にも迷惑をかけたし、彼にも八つ当たりしたし、心にも余裕がなくて荒んでいた。
今では「バカだったなぁ」と思うだけで、「私ってがんばったなぁ、えらいなぁ」などとは微塵も思わない。
本当は、そんな無茶なことをしないで、債務が500万円あった時に、債務整理をすればよかったのだ。
単に、そんなシステムがあることを知らなかっただけのことである。

私が任意整理をしたのは、「任意整理」という債務整理方法の存在を知ったことが一番大きい。
そして、会社が倒産し、祖母が倒れて介護が必要になり、今後の収入の見通しがまったく立たなくなってしまったことで、実際に行動を起こした。
たった100万円弱の借金だったが、この時点では破産も止むを得ないと思っていた。弁護士からもそう言われた。100万円でも1000万円でも、収入の見通しが立たない以上、返せないのだ。
結局、弁護士に委任してから、弁護士が各社に取引データなどを照会してくれている間に、私の生活環境などが変わり、ある程度の収入が見込めるようになった。そして、計算の結果、破産する費用も、任意整理をして和解後の弁済額+弁護士費用の総額も、ほんとど変わらないか、むしろ任意整理の方がトータルすれば安く済む可能性もあったことから、任意整理をすることにした。
決して「破産だけはしたくない」などという、意味のない意地を張ったわけではない。
その際、私は月々の返済総額を「3万円」と設定した。
弁済額と分割払いの弁護士費用の合計が3万円である。
無理をすれば、もう少し高く設定することも可能だったかもしれない。しかし、私がそれまでの生活で学んだことは「いつ何がおこるかわからない」ということだった。元気だった勤務先の社長が突然亡くなってしまう、などということは、誰の身にでも起こり得ることだ。突然収入が途絶えた時、その瞬間から返済ができなくなったしまうような返済計画など、怖くてとても立てる気にはなれなかった。仮に何かで払えなくなったとしても、3万円なら親や彼にお願いして立て替えてもらうことも可能な金額だと考えた。

現在、私は2社に毎月合計1万2000円づつを送金している。残り3社のうち1社は一括で返済済み、もう1社はいまだに交渉中、そしてあと1社は過払いで返金があった。この返金分を丸々弁護士費用に当ててもらうことにしたため、今は弁護士への送金はしていない。
だったら、月々の弁済額を増額してはどうか、とも思ったが、やっぱり「何か」が起こった時のことを考えてしまう。
すでにこの債務には将来利息もつかないのだし、余裕のある分を貯金して、完済できるだけの額がたまったら、一気に完済しても同じことだ。
浮いたお金を「使ってしまうから」と返済に回してしまうやり方では、本当にお金の正しい使い方を身につけた、とは言えないと思う。
「使わずに残す」ことがイタについてきた時こそ、お金との付き合い方を会得できた時ではないだろうか。
お金がある時にはたくさん返済し、ない時には全然返さない、というやり方は、首が回らなくなってきた多重債務者のやり方だ。先の見通しを一切持たず、借入可能額まで含めた「手持ちのお金」をやりくりして日々をやり過ごしていると、今自分にはいくら借金があり、半年後にはいくらになっている、といったことがわからなくなってしまう。

少し前、掲示板に「100万円ちょっとの額だから、まともに働いているならとっくに完済していると思った」という書込みがされた。
とても腹立たしかった。「まともに働けない」、もしくは「まともに働いても返せない」からこそ、債務整理をするのだ。
私は、収入の当てが途絶えたからこそ、100万ちょっとの金額でも債務整理を行い、その代わり、何が起こっても絶対に滞ることがない返済計画を立てた。
「どんなことがあっても確実に毎月返済できる金額」を設定できてこそ、任意整理する意味がある。
すでに債権者には利息をマケてもらっている以上、彼らにはもはや「儲け」などないに等しい。このうえ、送金が遅れて督促の電話をしてもらう手間をかけさせるなど、あまりにも礼に失する話だと思う。
時々、債務整理中に急な出費があって、返済ができなくなった、とか、闇金から借りてしまった、などと言ってくる人がいる。
そういう人は、ハナから返済計画を間違えているのだ。
破産したくないから、無理に3年間で分割できる金額を設定してしまったのかもしれない。
しかし、それ自体が本末転倒である。
「確実に毎月払える金額」をまず算出し、それを3年分積み上げた額が総債務額に満たないのなら、それは返済能力を超えた借金だということになる。任意整理は諦めたほうが良い。
任意整理に限って言えば、「月々5万円返す人がエラくて、1万円の人は甘い」などということはない。ほとんどの場合、将来利息は免除されるので、月々の額を多くしたほうが得になる、ということもない。
5万円でも1万円でも、毎月滞りなく返済を続け、完済することが肝心なのだ。

今、債務整理を考えている人は、毎日毎日「お金のことで頭がいっぱい」という状態ではないだろうか。
その状態が、債務整理をはじめた後も続くのでは意味がない。
もちろんムダ使いはダメ。
しかし、お金のことで頭をいっぱいにしなくても、普通に生活していれば返済額も用意できる程度の返済計画が立てられない限りは、任意整理も無茶な計画にすぎない。
そのことを良く考えて、一番良い債務整理方法を選んで欲しい。

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