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早いもので、債務整理を委任してからもう1年2ヶ月が経った。債務整理を委任した頃にちょうど家庭や生活の環境、仕事の環境も変わった。以降私は、ここ数年にはなかった平穏無事な生活をしている。
振り返ってみると、私が一番借金で苦しかった時期は1995〜1996年ごろで、当時の債務の総額は400万円近くあったと思うがはっきりしない。社数も7〜8社あっただろうし、1社を返すために他から借り入れ、それを返すためにまた他から借りる、という「自転車」の王道をやっていたので、自分でもどこにいくら借りているのかまったく把握していなかった。そして間もなく、「自転車」のための新たな借入れすらできなくなった。
それからが、本当に厳しかった。
家の電話もしょっちゅう止まっていたし、食事は朝食にゆで卵、昼は抜いて夕食にカップラーメン、という生活をしていた。なんとか食べる分だけを差し引いて、収入は全部返済に回していたし、それでも足りなくて、ちょっとこんなところには書けないようなバイトもやった。
そういう殺伐とした生活を続け、心も乾ききっていたせいだと思うが、この時期は環境も最悪だった。
1つ目の転職先は、社長が「オレは経営者には向いていない」と堂々と言う「経営コンサルタント」会社で、一言でも社長に異議を唱えればその瞬間にクビ、給料も支払わないため、辞めた社員たちから毎日のように内容証明が届く会社だった。
この会社にいる間に、付き合っていた男に振り回されてボロボロにされた。同じ頃、親しかった友人からマルチに引きずりこまれかけ、少しだが借金を増やした。
その次の会社は、このサイトにも書いているように、社長が亡くなって倒産した。
その次はこれから会社を立ち上げる、という人に紹介され、社員として採用してもらう前提で、設立登記をはじめ、会社の立ち上げに関わるあらゆる事務作業をすべて無償でやってあげたのだが、いざ会社が立ち上がってみたら「予定していた受注がダメになったので、社員にする話はなかったことにしてくれ」と言われて結局1円も貰わずに追い出された。(後で「金一封」が出た)
当時の私は「任意整理」などという借金の整理方法があるということはまったく知らなかった。「自己破産」も言葉を知っているだけで、何千万も負債がなければできないものだと思っていた。あの当時、どうして債務整理のことを調べなかったんだろう、と思うが、今のようにネットも普及していなかったし、「明日、食べられるか?」という切迫した状況まで追い込まれ、本屋で立ち読みをする余裕すら無くしてしまっていたように思う。
私が変な職場を選んでしまったのも、変な男に振り回されたのも、借金に追われ、冷静に周りを見る目を失っていたからだと思う。「借金」という暗い空気に包まれ、私はマイナスのオーラを発していたに違いない。だから、別の意味でマイナスのオーラを発している人たちと引き合ってしまった。(「NIGHT
HEAD」を読み返したばかりで、こんな表現になってしまった...)
今の私は、ちゃんと食べたい物を食べ、必要なものを買い、わずかながら貯金もある。恐らく生涯を共にするであろう恋人もいる。
私が債務整理によって得たものは、単に債務の減免だけではなく、心の平穏であり、静かな「普通の」生活だった。
返せないほどの借金を負ってしまったことへの自己反省はあって然るべきだが、返済のためだけに人生を捧げる必要は決してない。
毎日3食普通に食べて、普通に仕事をして、普通に恋愛をして、電話のベルに心拍数をあげることのない生活がいかに心地良いものかを、債務に悩む多くの人たちに思い出してもらいたい。
以前は深夜だけに限定されていたサラ金のテレビコマーシャルが、昼間やゴールデンタイムにも解禁されて何年くらい経つだろうか。すべては不景気ゆえの広告収入の減少に伴う措置だろう。サラ金の広告を一切掲載しなかったり、掲載してもサイズを規制していた新聞もいつの間にか大きな広告を掲載するようになっている。
サラ金のテレビコマーシャルは、無人契約機ができた頃から目立つようになってきて、いろんなキャラクターも登場した。最近は「親しみやすさ」「手軽さ」を売りにしたものが多く、私個人としてはあまりいい気持ちはしない。
中でも、この夏から始まった某社のCMには怒りすら感じた。
妻が夫にハワイ旅行をねだり、夫が「余裕ないだろ」と断ると、なんと妻はサラ金で借りてハワイ旅行に行くのだ。他のサラ金のCM同様、最後に「ご利用は計画的に」と字幕が出るが、計画的に利用する人が、ハワイ旅行のためにサラ金からお金を借りるとはとても思えない。
一昔前はサラ金の窓口は古い雑居ビルの上の方のフロアにこっそりあって、借りに行く方もこっそり行っていたように思う。でも最近は駅前の目立つ場所に大きなATMスペースを構えるサラ金も増えてきた。そこに若い子たちが人目もはばからず、堂々と出入りしている姿もよく見受けるようになった。ちょっと怖い気がする。
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